
株式会社きみとみらい
Partners interview #1
TEDxICU 2024は "Milestone" をテーマに掲げ、一人ひとりの夢や個性が花開き、
共に咲き誇りあうイベントを作り上げていきます。
そのために、多くの企業様にスポンサーとしてご支援いただいています。
今回、TEDxICU 2024 メインイベントに協賛いただいたプラチナパートナー、
株式会社きみとみらい代表の畑公人さんに、会社の理念やテーマ "Milestone" など
を伺いました。

株式会社きみとみらい
代表
畑 公人様
Q;はじめに自己紹介をお願いします。
株式会社きみとみらい代表の畑です。現在、英語塾を経営しています。学生時代に最初の英語塾を立ち上げ、卒業後5年ほど運営をしてから2019年に独立して今の会社を設立しました。「人生を自由に選択できる人を増やす」という信念を持って、そのためにまずは英語力を通じて子どもたちの可能性を広げたいなと思っています。将来的には学校を作りたいとも考えていて、日々教育理念を磨いてます。
Q:きみとみらいさんはどのような会社ですか?
この英語塾「Grow Rich English School」を運営している「株式会社きみとみらい」は、「人生を自由に選択できる人を増やす」という理念のもとで、まずは英語力を通じた可能性の拡大を目指しています。学生時代にまた別の英語塾を立ち上げた経験から、現在に至るまで一貫して教育に向き合い続けています。社名「きみとみらい」には、「誰かの未来を一緒に創る」という想いを込めました。また、「Grow Rich(豊かに育つ)」をテーマに、物理的にも精神的にも豊かさを追求する場づくりができたらと考えてます。
現在行っている理念のリニューアルは、物事を俯瞰する大切さに気づいたからです。仲間たちと対話を重ねながらアップデートに取り組んでいます。
Q:TED×ICUに協賛を決めて下さった理由を教えてください。
協賛のきっかけはTEDxICUからのアプローチです。TED自体は学生時代から学習教材として親しんでいて、社会的なムーブメントとしても興味を持っていました。
出会いは学生時代で、知人がTEDに登壇していたこともあり、早くからその価値に共感していました。
今回はTEDxイベントに関わる初めての機会で、ネット上で見るだけではわからない「リアルさ」を感じられたことも大きな収穫でした。
ー今回のテーマ"Milestone" についてー
Q:今回のテーマ"Milestone" をどのように受け取られましたか?
僕にとって "Milestone" という言葉は、決して目新しいものではなく、むしろずっと身近に感じてきた概念です。学生時代も、起業したときも、そして今も、常に「過去のあの出来事が今につながっている」とか、「あのときのつらい経験があったから、今の自分があるんだ」といったように、自分の歩みを振り返ることが自然と習慣になっています。
⇨(Ted×ICUメンバー) 共感していただけて嬉しいです。
Q:ビジネス面で企業として、教室として大きな "Milestone" となった出来事はありますか?
ビジネス面では、「起業」「コロナ」「黒字化」「資金調達」というように、いくつかのフェーズに分けられると思います。
起業当初は本当に手探りで、お金の使い方もわからず、どんどんお金が出ていく状態が続いていました。売上をどう増やせばいいかもわからず、「半年後には貯金がゼロになるかも」と、常に通帳とにらめっこしながら、どうにか軌道に乗せることばかり考えていました。
開講から半年ほどで生徒数が40人になり、ようやく黒字化が見えてきた矢先、コロナがやってきました。あのときは、本当に「どうやって生徒の学びを止めないか」ということばかりを考えていました。
塾って、基本的には教室に通ってもらうのが前提で、当時は紙で生徒情報を管理していたので、外出自粛の中では授業が
成り立たない状況だったんです。そこで、全授業のオンライン化を決断して、2週間で準備を終え、授業を再開しました。
具体的には、40人分の紙のデータをすべてオンラインに移行して、Zoomでのレッスン体制を整えました。これをきっかけに、情報管理がオンライン化されたことで、社員全員が生徒の情報にアクセスできるようになり、社内の情報格差も
なくなりました。それだけでなく、「テクノロジーをうまく活用していこう」という意識が強くなったんです。今では、
アプリの開発にも取り組んでいますが、そのきっかけになったのも、あのコロナの経験だと思います。
会社を軌道に乗せるまでに、だいたい2年はかかりました。最初は出費ばかりが増えていたのが、今では「どこを抑えればいいか」が見えるようになってきました。そうやってたどり着くまでのプロセスにおいて、起業時に直面した困難と、
コロナ下でのオンライン化というのは、すごく大きなマイルストーンだったと思います。
その後、コロナが一段落して黒字化したタイミングで、「スタートアップで黒字化している」ということが評価されて、
上場している事業会社さんから出資オファーをいただきました。それは本当に、自分のビジネスが認められたような気がして、すごく嬉しかったです。最終的には出資の話はお断りすることになったんですが、その会社からアドバイスをいただいたり、期待してもらえたことが、自分たちの糧になって、事業の方向性がより明確になりました。本気で事業拡大を考える
きっかけにもなったんです。
この一連の流れ全体が、会社として成長するうえでとても大切な経験でした。でも、まだ僕たちのマイルストーンの旅は
途中です。これからも邁進し続けたいと思っています。
最初にお話しした「起業→コロナ→黒字化→資金調達」というひとつひとつの出来事が、ビジネス面での僕たちをかたち
作っていると思います。
Q:組織面で企業として、教室として大きな "Milestone" となった出来事はありますか?
「会社って小規模なうちは、社長のもの」「社長がやりたいことを実現するために動く組織」と捉えている人も多いと
思うんですが、最近はそういう時代じゃなくなってきていると感じています。もっと対話的で、みんなで一緒につくるような組織が増えているし、自分自身もそういう組織づくりを意識しています。
僕は、会社ってある意味「生命体」だと思っていて。その生命体のアイデンティティをつくっていくのは、社長だけじゃなくて、社内のメンバー、顧客やその他のステークホルダーも含めた全員だと思うんです。だからこそ、その生命体=会社を、社会にとって「なくてはならない存在」にしていくような組織づくりを目指しています。
起業初期は、人数も少なかったので、自分が全員とコミュニケーションを取れていたし、自分の得意なコーチング型の
リーダーシップとも相性がよくて。一人ひとりと丁寧に話して、関係性を築くというスタイルが、小さな組織には合っていたと思います。
でも、会社が大きくなっていくと、毎回一対一で話すのが難しくなってきて。自分はずっと「対話型」で組織をつくって
きた人間なので、基本的に「1対1」や「個別の対話」でなんとかしようとしてきたんですが、それにはリスクもあることに気づきました。
でも、そこから学んだことが、今の会社の行動方針の軸にもなっています。それが、「俯瞰・選択・対話・変容」という4つのキーワードです。
だから、僕の中での組織づくりのマイルストーンは「起業初期 → 不安定期 → 拡大期」という流れです。それぞれのフェーズで葛藤や発見があって、その都度会社のあり方も変わっていきました。
Q:ご自身の人生の中で、大きな "Milestone" と感じた瞬間があれば教えてください。
やっぱり一番大きなきっかけは、学生時代に「起業しよう」と思ったことだと思います。
大学では、もともと英語の先生になるために教職課程を取っていたんですが、日本の英語教育に対してだんだん不信感というか、疑問を感じるようになっていきました。それで、「自分で教室をつくって、日本の英語教育を変えたい」と思うようになったんです。
自分の中で思い描いていたような英語教室を探してみたんですけど、学校のような場所でもなく、なかなか理想に近いものが見つからなかったんです。そうした中で、「だったら自分でつくればいいんじゃないか」と思った瞬間がありました。
それから、ロールモデルの存在も大きかったです。高校生の頃から英語教育に取り組んでいた先輩がいて、「あ、できる人っているんだ」と思えたことが、自分の背中を押してくれた気がします。
既存の英語塾を拡大していく選択肢もあったんですが、そうするとその企業の理念に影響されてしまう。だったら、最初から自分の思い描くかたちでつくった方がいいなと思って、ある会社でインターンをしながら勉強して、起業を決意して動き出しました。
それが、自分にとっての大きな "Milestone" のひとつです。
Q:今、学生たちに伝えたい事はありますか?
"Milestone" とは、過去や未来にフォーカスを当てるものかもしれませんが、最も大切なのは「今の自分」です。未来を考えすぎると、今の自分にできないことばかりに目が向いてしまい、過去を振り返れば、つい美化してしまうものです。
でも、「"Milestone" を意識する」ことで、逆算的に「今、自分がやるべきこと」が見えてきます。だからこそ、未来や過去にとらわれすぎず、今の自分を大事にしながら、一歩一歩を積み重ねていってください。
最後に
私にとって "Milestone" とは、「今の自分を最高にするためのストーリー」です。その解釈は無限なので、人それぞれに
とっての意味を持っていいものだと思っています。
今日のインタビューを通して、こうして話す機会をいただき、改めて感謝しています。リーダーという立場柄、普段から
多くの人と関わる機会がありますが、改めて一緒に起業してくれた仲間たち、事業を支えてくれているみんなの温かさを
実感しました。話しながら、自分自身もどんどんやる気が湧いてきました。これからも、ちゃんと伝えられる自分でありたいし、誰かのエネルギーになれたら嬉しいです。
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編集後記
「人生を自由に選択できる人を増やす」という理念のもと教育に取り組んできた畑さんの言葉からは、「今」を丁寧に生きることの豊かさが感じられました。英語塾立ち上げ、コロナ禍の葛藤、組織の拡大や変容——そのどれもが、過去や未来ではなく、「今この瞬間」の課題と真摯に向き合う中でかたちづくられてきたのだと感じます。
特別な転機だけでなく、日々の小さな出来事にも意味を見出しながら歩みを進めてきた畑さんの姿は、「今を生きる」ことの重みを教えてくれました。過去のすべてが今につながり、今という瞬間がまた未来へとつながっていく、
その "Milestone"の連なりの中で一歩一歩を大切にしていく姿勢が心に残りました。
また、「”Milestone” は今の自分を最高にするためのストーリー」という言葉も印象的です。過去を振り返って後悔したり、
未来を不安に思って振り回されたりせず、「今」をよりよく生きようとする姿勢に、前向きな強さを感じました。
貴重なお話を、ありがとうございました。

株式会社きみとみらい
"株式会社きみとみらいは、英語塾「Grow Rich English School」を運営する教育スタートアップです。
Grow Rich English Schoolは、小学生が英語で自分の意見を伝え、将来の進路を自ら選べる力を育てる英語塾です。バイリンガルの講師による個別最適なカリキュラムを通じて、通塾開始から1年半で生徒の70%以上が英検準2級以上の英語力を習得。中学受験や海外進学など、子どもたちの選択肢を大きく広げています。
また、2025年3月にシード資金を調達し、第二創業期を迎えました。自社アプリ・学習管理システムの開発や、都内の教室拡大を進めており、まさに今、教育を進化させる仲間を求めています。"